2024年前期のNHK朝ドラ『虎に翼』は楽しみにしていました。大好きな田中真弓さんが出るから。
でも実際見てみたら、かなり最初から「はて?」な内容でした。
朝ドラウォッチャーなのでどちらかというと擁護派だし、寛容に観ているタイプなのですが、今回は久しぶりに無理でした。
細かいところまで覚えてないので、ぼやっとした感想になりますがちょっと愚痴りたい。
同じようにつまらないと思ってる人と共感したいだけのトピックです。
虎に翼がつまらない。なぜあんなに持ち上げられてるのかわからない
ヤフコメやX (旧ツイッター)で大人気・大絶賛ですよね。
こんなに面白い朝ドラは初めて!
毎回感動させられっぱなし!
内容の深いドラマで考えさせられる
こんな意見が多いです。
私はこれ全部「はて?」なんです。
たしかに最初の頃はちょっと面白かった。
猪爪家の人々は魅力的なキャラクターでくすっと笑えることもあった。
でも最初からうっすら見える『女性の権利の主張』みたいなのが好きじゃなかった。
それでも私は朝ドラ擁護派なので、これから楽しくなっていくと信じる!信じたい!と思いながら見てました。
でも一向に興味がそそられない。過剰なフェミニズムが受け付けない。
しかしネットで絶賛されるのはそういうフェミニズム的思考。
私も女なので、女性の地位向上は願っているし、そういう世の中になってきていることも喜ばしいと思ってます。
でもなんだろう?「女はかわいそう!」「女は報われない!」ばかりを全面的に押し出されると冷めていく。
それだけを一辺倒に言い続けると拒否反応が出る。
ネットではそのフェミニズムが大絶賛で、それを共感できない人は
思慮が浅い人なのね
物事の深いところまで読み取れない頭のレベルの人が批判するよね
と一蹴されている。
虎に翼を面白いと思えない人(私)は、フェミニストの人たちからはアホ認定されているようです。
しかし本当に「面白くない」という意見の人を見かけない。
本当に視聴者ほぼ全員が面白いと思ってるの!?
たまに反対意見のコメントを見かけてもBADボタンの数が9割以上占めてる。
みんながこぞって大絶賛するのがちょっと不気味。何の力が働いてるの?と勘繰ってしまう。
初回放送直後に「最高傑作になる予感!」という記事がYahoo!ニュースに出た時にしらけました。第1話だけでなんでそこまでわかるの!?と。
虎に翼をつまらないと思う理由
私が虎に翼をつまらない、好きになれない理由はこれです。
全てが表面的
なんか内容が全部薄っぺらいんです。
脚本家のやりたいこと全部詰め込んでるのはわかる。
でもやりたいことが多すぎて、全部深掘りできてない。上澄みをなぞるような薄っぺらさ。
「え?これで終わり??」と思うシーンの多いこと多いこと。
『アンナチュラル』の裁判シーンの方が観入ったし、よっぽど納得させられた。
百合さんの認知症
「認知症ってそういう行動出るよね〜」ってとこだけをやって終わっていった。壮絶になる前に百合さんはナレ死したので、寅子たちの苦労は見えなかった。ただ余貴美子さんの演技は凄すぎた。壮絶になりそうな迫真の演技だった。もったいない。
美佐江のサイコパス
あれはどうしてそういうエピソードを出したかったのかも謎。「人をこ⚪︎すことはなぜダメなの?」という考えの人間も存在すると言いたかったのかな?なんかわからなかった。
【追記】(2024年9月25日執筆)
自死というかたちで美佐江に決着をつけましたね。自分は特別な存在と信じてたのに、大海に出てみれば普通の人間だった。小物の自分として生きていく勇気がなかった。
学生運動の主犯くらいの地位で再登場するかと思ってたので、あっけなくて驚きました。
娘の美雪へ繋いだのは自己愛性パーソナリティ障害は遺伝すると言いたかったのでしょうか?寅子が20年背負ったトラウマから解放させる為が一番の理由でしょうけど。
涼子さまの同性愛
たぶん同性愛ってことですよね?赤毛のアンをイメージさせる英語のセリフで腹心の友として表現してましたが。「花子とアンを思い出す」という朝ドラファンへのニクイ演出も兼ねていたのかもしれません。)
轟くんの同性愛の時点でも、最近のドラマは同性愛の話が多いなぁ、私は同性愛も異性愛も偏見ないし、無理に入れてこなくていいのになと思ったけど、男性の愛をエピソードに出したから女性の愛も出しとこうって感じ?
稲さんの存在
なんかいてもいなくてもよかったような。稲さんの言葉で寅子が何か変わるようなこととかあったのかな?せっかく寅子が去った後もこの土地で生きていけるように…という話を書いて、充実した日々を送りそうだったのに、寅子達が東京に戻る前にナレ死。もったいない。
稲さんが亡くなった1週間後くらいに田中真弓さんが実際に生まれているので、「転生した」というユーモアを入れたかったのかなぁ?とも思ったけど、それは脚本家さんの独りよがりが過ぎる。
脚本家さんが田中真弓さんのファンで出したかっただけみたいな感じに見えました。私も好きだけど、ちょっと田中真弓の無駄遣い感があったなぁ。他の作品に出て欲しかったなぁと思ってしまった。
キャラクターの性格がぶれている
性格は大人になると変わることもあるけど、ドラマでそれをやられると誰が誰だかわからなくなる。
優未ちゃん
優未ちゃんのキャラ変わりすぎで、一貫して見れなかった。
花江ちゃんの前では子供らしくてかわいくて、寅子の前では良い子を演じてた優未。新潟編で寅子に遠慮がなくなった時の優未はただの生意気な子供になってて悲しかった。花江ちゃんに見せていた無邪気な子はどこへ…。花江ちゃんの前でも良い子を演じてたってこと??
そして中学生の優未。義理の姉に蹴り入れててびっくり。
「おちょやんを思い出させてあげよう」というニクイ演出だったのでしょうけど、私はそれを思い出すよりも不快感が勝ってしまいました。
サックス奏者の息子
(男性陣みんな直なんとかで名前覚えられなかった)
花江ちゃんの息子たちってあんなひょうきんな性格してなかった気がする。常にオチに使われていて、オチ要員なのは理解したけど、それがくどいというか…。
優三さんのお腹痛いシーンもだけど、ちょっとネタ擦りすぎてくどい時あるよね。
稲さん
最初は真面目な女中さんというイメージだったのに、新潟編になってからの稲さんは急にお調子者になってしまった。よく言えばチャーミングになったんだけど。
これは田中真弓さん自身も取材で話してましたね。「途中から、『もっと弾けていいですよ』って言われた」って。ご本人も戸惑ったと語ってました。
航一さん
最初すごくいけ好かないキャラだったのに、いつの間にかとっても優しい男性に。
あの初対面時の人を見下したような描写は何だったんだろう?この人は何がきっかけで寅子を好きになったのかわからないうちに恋に発展してました。
航一さんの登場は、私が虎に翼つまらないなと思って流し見し始めた頃。きちんと描写があったのならごめんなさい。
全体的に暗くて、ギャグもしつこい
内容が内容なので明るい話にしづらいのは理解してます。でもやっぱり全体的に暗すぎる。
朝から憂鬱な気分になる話はあまり見たくない。(なのでほぼ離脱してるのですが)
そしてその暗さを打ち消すためにギャグパートがところどころ組み込まれてるんだけど、なんか寒い。
桂場さんと梅子さんのあんこの味のやりとりもしつこい。
このシーンを繰り返すことで梅子さんの難行苦行が伺えるし、『ちむどんどん』のノブコの料理修行を思うと丁寧に描かれてる。
でもこれは裁判官の話だし、そこ何度もやるなら美佐江の行く先をもう少しやってほしかった。(まだ3週間あるし、これから出てくるのかな?ー2024年9月8日記事作成ー)
岡部たかしさんがいた頃はギャグパートもわかりやすくて面白かった。仲野太賀くんもいいキャラ演じてた。上川周作さんの「俺にはわかる」もよかった。でもお三方が退場されてからは、ギャグが面白くなくなってしまった。
ひとつひとつのエピソードはとても大切な話をしていると思うし、そこは評価してるのだけど、楽しく見れない。興味深く見れない。
もう少し深くやってほしいと思うところで何年も時が流れて終わっていく。
話が浅くて入っていけなかったです。
小学生の日記みたいな内容だった
虎に翼は個人的には小学生の夏休みの日記みたいな内容に映りました。
「今日は専業主婦の孤独感を書きました、まる」
「今日はみんなで同性愛について考えました、まる」
「義母が認知症になって大変でした、まる」
私にはそんなドラマに見えました。脚本家の方がまだ若いからこその内容に思えました。
もう少し歳を重ねたら人生の重みとかをもっと素敵に描かれるのかもしれない。10年後に見たかったかな。
役者さんは最高だった
こんなに色々と中途半端だなと残念に思った朝ドラでしたが、出演されている俳優さんはみんな素敵でした。実力派揃いでみんな魅力的。
このドラマで初めて知った役者さんも多数います。今後も注目したいなと思う人がたくさんで、その点では虎に翼を見てよかったなと思っています。
【追記】(2024年9月25日執筆)
尊属殺人裁判のよねさんと轟さんのコンビネーションはかっこよかったです。
よねさんの低い声で「はて?」はしびれました。弁論も堂々としていてかっこよかった。
轟さんの「行け、山田!」の囁きもクライマックス感すごくてちょっとワクワクしました。
でも虎に翼最大の見せ場に持ってきた裁判に主役の寅子がいないってどういうこと!?
吉田さんはよねさんを描きたかったんだなとわかるけど、それだと寅子がちょっと可哀想。伊藤沙莉ちゃんに失礼。
まとめ
虎に翼は昭和の建物と衣装で現代劇をやってるような違和感と、詰め込みすぎて全てが軽くなり、ドラマに入り込めなくなった。
私の総評はこれに尽きます。
もう少し昭和時代に沿った文化・風習・考え方の内容だったら納得できてたのかも。もしくは、三淵嘉子さんをモデルにせず、現代劇でやれば楽しめたかもしれません。
2週目くらいからつまらないかも…と思い始めて、そのうち面白くなるのだろうと願いを込め、田中真弓さんの為になんとか新潟編までは我慢しながら見て、あとは適当に流し見になってしまった今期の朝ドラ。
あと3週間を離脱するか、最後まで見るかちょっと悩んでますが、伊藤沙莉ちゃん大好きなので文句言いながらも最終回まで見ると思います。
たぶん最後までこのドラマを「素晴らしすぎる!!」とは思えないと思います。同じようにつまらないと思った人が読んでも、私の感想が文句ばかりで嫌な気分にさせてしまったらすみません。
でも言いたかった。女性全員が女性の権利の主張に賛辞するわけでもないし、この朝ドラをつまらない思う女もいると言いたかった。
あんまり思想を押し付けるドラマは見ててしんどいなと気づく事ができた半年でした。